理由1:落下防止対策の誤算
前回、新築から9年でリノベーションし、リビングから和室に上る階段の位置を変えたことについて書きました。
その時、もう1カ所工事したのが吹き抜けです。玄関を入ってすぐの吹き抜けをなくして、2階リビングの床にしました。
家を建てる時、吹き抜けは条件の1つでした。吹き抜けのある家って開放的で、1階、2階のつながりができていいなと。
わが家の吹き抜けは、玄関を入って見上げると、2階リビングが見えるようなつくりになっていました。リビングには手すりがあり、玄関を見下ろせました。
それをあっさりやめてしまった大きな理由は2つあります。
1つは、子どもが生まれたことで吹き抜けが危険な箇所になってしまったことです。
2階の手すりによじ登れば、玄関に落ちてしまうし、前回書いた和室の廊下部分の手すりに上れば、さらに高いところから転落する可能性がありました。
もちろん、それを防ぐために、どちらの手すりも、ホームセンターで買ってきた網状のプラスチックの板(建築資材だと思われます)で塞いでいましたが、結構な面積を覆っているので鬱陶しい…。
特にその手すりは、大きな家のほんの一部ではなく、小さな家の中では結構な大きさを占めます。
これは子どもの成長を見ていて気づいたことですが、こうやって手すりに上らないように対策しなければいけない期間って意外に長いです。
以前はつかまり立ちをするぐらいから3歳ぐらいまでの目が離せない時期に対策しておけばいい、というイメージだったのですが、力がつくと意図的によじ登れるようになるので、それはそれで危険だと思うようになりました。
また、自分の子どもがやらなくても遊びに来た子が上ってしまう可能性もあります。特に小学生になると、友達が家に遊びに来た時、ずっと見ているわけにはいきません。そうなると、実際にガードを外せるのは中学生ぐらいではないかと思いました。
わが家の場合、兄弟が5歳違い。ようやく長男が目を離せるようになった時に次男が生まれたため、また、何年も転落の心配をしたり、ガードを外せなかったりするのはイヤだなと思ったのでした。
理由2:暖気は上昇するという誤算
2つ目の理由は寒さです。
家を建てる時、暖気は上昇するので、冬は玄関(5.6畳ほどの土間)に暖房を置き、リビングの床暖房を使えば2階も寒くないだろうと考えていました。
でも、実際はとにかく寒かったです。
だから、吹き抜け部分を床にしてしまおうと思ったのでした。前回記事にあるように和室に上がる階段の位置を変更できたのも、吹き抜けが床になったからです。
床として増えたのは吹き抜けの部分だけではありません。階段の向きを変えて廊下部分がなくなったことで生まれたスペースもあります。
これによって増えたスペースは約2畳分。テーブルを置く場所の選択肢が増えたこともあり、リビングの使い勝手がアップしました。
リノベの時に、リビングにあった大きな食器棚も玄関土間に移動したことも大きかったです。
吹き抜けだけが寒さの原因ではない
吹き抜けについて検索すると、やはり寒さを理由に躊躇している方が多いようですが、これから家を建てる方には、吹き抜け=寒いと決めつけないでほしいと思います。
それは寒かったのには、次のような理由もあるからです。
- 当時は1階からリビングに上がる階段と、リビングの間も閉じていなかったため、吹き抜けだけが寒さの理由ではない。
- 玄関土間で使っていた暖房はオイルヒーターでパワーが弱かった。
- 玄関を入ってすぐの所に吹き抜けがあったので、玄関ドアからやドアを開けた時の冷気が入りやすかった。場所によってはそこまで寒くないと考えられる。
- わが家は夫婦2人とも極端な寒がり。
- 約20年前に建てているので、断熱等級も現在より低い。わが家は等級3(それでも当時は高い方だった)ですが、最近、夫の設計事務所で建てた家は等級4がほとんど。
ただ、リノベしてみて、やはり一番の寒さ対策は「部屋をしっかり閉じること」なのはまちがいないです。
リノベの際、“1階からリビングに上がる階段とリビングの間”にガラスの引き戸を付けました。さらに冬はリビングと和室の間にある障子も閉じるようにしたことで、冬の寒さはかなり改善しました。
吹き抜けをやめたデメリットは、玄関をすぐに見下ろせなくなったことです。見送りも2階からできるし、2階からカギなどを落とせるので忘れ物などを渡すのに便利でした(笑)。
でも、デメリットはそれぐらいです。わが家にとっては、はるかにメリットが大きく、後悔は全くありません。