狭小住宅は住んでみないと分からない
狭小住宅に住んで20年以上経ちますが、意外に孤独感があります。「将来的に夫婦2人になるのだから、家って小さくていいよね」「子ども部屋は3畳で十分」と思っていても、共感してくれる人は少ないからです。
それこそ建てた頃は「子ども生まれたらどうするの?」、出産後は「さすがに引っ越すんでしょ?」などと言われて密かに傷ついたりしたものですが、さすが今は「まあ、住んでみないと分からないよね」「広い家で育った人には理解されないだろうな」と流せるようになりました。
それだけに「家は小さくていい」「小さな家がいい」という“狭小住宅推し“がいるとうれしくなりますし、勝手に親近感をおぼえています。
最近、注目しているのはお笑い芸人・サバンナの八木さん。FP1級資格を取得後、お金の話題で出演が増えていますが、youtubeを見て私もファンになりました。
子ども部屋に勉強机はいらない⁉︎
そんな八木さんのお家も建坪14坪の狭小住宅だそうで、YouTubeではご自宅も公開されています。
そして、2人のお子さんの子ども部屋はそれほど狭くないのですが、著書「年収300万円で心の大富豪」で「子ども部屋は2畳でいい」と書いているのです。
2畳でいいという理由は…
- 自分が中学生の頃は部屋に机、テレビ、コンポ(ステレオ)、ゲーム、ビデオ、CD、漫画、雑誌、本、文房具、アルバムを置いていた。
- でも今はベッドとタブレット1つあれば、だいたいのことができてしまう。
- 勉強はリビングでイヤホンしながらすればいい。
としています。
これはものすごく納得で、うちの子どもたちもだいたいベッドの上でスマホやiPadを見ています。マンガ、ゲーム、電話(オンライン通話)などもベッドの上で済みます。
勉強机に関しても、うちの子を見る限り、自分の部屋に机があるからといって勉強するわけじゃないと感じます。今はイヤホンの性能がいいので集中したい時はそれをして違う部屋で勉強したり、気分転換にリビングで勉強したり。中学や高校では1人1台タブレット端末を使用しているので、それを見ながらベッドで勉強していることもあります。
次男の場合、高校受験期や入学後のテスト勉強は、私のzoom用の部屋と兼用の“通称・自習室”でかなり集中してやっています。
実際のわが家より狭い「八木さんの理想の家」
そして、4人家族の住む家なら、延床で55平米あればいいとも書いています。わが家が79平米なので、さらに小さいですね。
著書には子ども部屋を2畳にした場合の、家全体の広さや費用な部屋についても書かれています。
【八木さんが考える4人家族の狭小住宅】
- 4人家族なら子ども部屋、夫婦各自の部屋も各2畳でいい
- その代わりにリビングは広めに15畳ぐらいほしい。
- あとはお風呂、トイレ、洗濯機(洗面所?)、ベランダ、廊下などを入れて考えると、延床55平米あればいい。
- 寝る前まではリビングにいて、寝る時は各自部屋に戻るイメージ。
55平米はだいたい一般的な2LDKのマンションと同じぐらいの広さらしいです。各自の洋服などが2畳に置けない場合、ファミリークローゼットなどが必要かもしれないですね。
ちなみにこの数字を建築士の夫に伝えたところ、4つの部屋をリビングに接するようにすれば廊下も不要になるので、平屋のほうがうまく造れそうとのことでした(笑)。もちろん平屋になると土地の広さも必要になるので、住居費の節約にならないという別の問題も出てきますが…。
実際、夫は20年ぐらい前、4人家族の建主さんで、「寝る前までは1階のリビングにいて、寝る時は(小さな)各自の部屋に戻る」「勉強は家族共通のデスクコーナーでやる」というコンセプトの家を設計したことがあります。私もお邪魔したことがあるのですが、とてもすっきりした家でした。費用も抑えられたと聞いています。

狭小住宅vsマンションどちらがよい?
サバンナ八木さんの考える狭小住宅、今後、特に首都圏では受け入れられていくのではないかと思っています。なぜなら住宅価格が高くなり過ぎているからです。
私が住んでいるのは決して都心のような便利な場所ではないですが、それでも近隣で販売中の家のチラシをみると、15年ぐらい前の倍近くなっています。はっきりいって夫婦でフルタイム勤務でないと買えない金額です(でも立地がそこまで便利ではないので、売れ残っていると予想)。
一戸建てはあきらめてマンションにする、という人もいると思います。ただ、家の費用は安くなっても、マンションの場合、管理費や修繕積立費、駐車場代、駐輪場代がかかってきて、月々の支払額が意外に増えてしまいがちです。
また、うちのように男の子兄弟で、階下への足音を気にしたくない、ペットを気兼ねせず飼いたいから一戸建てがいいという方もいると思います。
そういう場合、無理にローン額を上げるのではなく、狭小住宅という選択はあると思うのです。
最近は「減築」なんて言葉もあるように、子どもが独立後、家を小さくする人も増えています。でも、子どもに自分専用の空間が必要な時期って本当に短いです。わが家では中学から大学の約10年間だと考えています。
それなら減築よりも最初から思い切ってサバンナ八木さんが考える最小限の狭小住宅にして、将来、夫婦2人で住みにくくなったら子ども部屋の2畳×2部屋を使いやすくリフォームするほうがいいんじゃないか…と思うのですが、こんな考えもなかなか理解されないですかね…。
【家が高い時代に考えたい】
【ローン額は上げないほうがいい】