4軒の「実家の片づけ」を経験
昨年、実家の片づけをしました。以前、父が亡くなった後、母の生前整理を手伝った話を書きましたが、この時、実は母に認知症の症状が出始め、ものをなくしやすくなっていたことが生前整理をした理由でした。
【関連記事】
その後、母が亡くなり、本当の意味で実家の片づけをすることに。生前整理をしていたのでだいぶラクでしたが、それでもかなり捨てなければいけないものがありました。
実家の片づけをする機会って、普通は自分の実家の分、または夫の実家と2軒分だと思うのですが、このたび自分の実家に加え、友人の実家のモノの処分、叔母の家の片づけを少し手伝うという経験をしました。
さらに先日、実家の片づけ真っ最中のいとことも話をして、「実家の片づけあるある話」で盛り上がりました。
どの家も住んでいた親、叔母は70代後半〜80代ですが、「多すぎてびっくりしたもの」が共通していて印象的だったので、そのことについて書きたいと思います。
多かったもの1:洋服
まず、誰もが多くて大変だったと言うのが「洋服」。おしゃれだったか否かに関係なく、親世代のほうがたくさん服を持っています。また保管しておくために、防虫剤を大量にストックしてあった家も。それでもカビが生えてしまったものもあったので、保管しておくリスクも考えた方がいいと改めて思いました。
そして、特徴的なのが「服を減らさずに、増えた服のために洋服ダンスなどの収納家具を増やしてしまう」傾向があること。つまり家具の処分も大変になります。
多かったもの2:食器、キッチンツール
次に多いのが「食器」。「来客用にセットものを置いてあったり、贈答品が箱に入ったままだったりしました。あと、私の実家はスプーンやフォークなどのカトラリーも、大小様々ありました。
キッチン関係でいうと、これも共通していたのが、鍋類やキッチンツールの多さ!似たようなサイズの鍋がたくさんあったり、お玉などがぎっしり引き出しに入っていたりしました。
友人の実家の片づけでは、食器棚は2つ、キッチンの収納もそれほど多い方ではないと思いましたが、出してみると食器や鍋類だけで2リットルのゴミ袋20袋分+ダンボール2箱ぐらいありました。
食器、鍋類で困るのが、地域によっては簡単に捨てられないこと。いとこの住んでいる地域では、市に収集を依頼しなければいけないそうです。そうなると片づけも進まないし、費用もかかります。
多かったもの3:洗剤、掃除グッズ
服、食器、キッチンツールはある意味想像通りで、実家に限らず、片づかない家で悩みがちなアイテムだと思います。そして、次に共通していたものは「洗剤」「掃除グッズ」です。
「洗濯洗剤系だけでも何種類かある」「キッチン、風呂、トイレ、○○掃除用など、場所ごとに何種類もの洗剤があって、どれも「使いかけor大量に残っている」というのが共通点でした。
洗剤は実は捨てるのも大変です。基本、量があるものは排水溝に流したり、ゴミ袋にそのまま入れたりせず、布や新聞紙にしみこませてから捨てる、と書いてあることが多いです。スプレー缶に入ったものなど、一般ゴミで捨てられないものも混じっていると、さらに大変。洗剤って1つ1つは安いものですが、捨てるとなると手間も場合によっては費用もかかるのだなと思いました。
また、「粉の洗濯洗剤が大量にあって、どう捨てていいか分からない」という話も聞きました。新聞購読の景品でもらったりしたのかもしれませんね。洗剤に関しては、ストックしすぎない、すぐに買わない、なるべく兼用できるアイテムを探して、場所ごとに洗剤を増やさないようにすることが大切だと思いました。
実際、私自身はそうやって増やさないように意識してはきたのですが、すぐに落としたい汚れがあった時、急いで専用の洗剤を買ってしまったりすると、じわじわ増えていくなあと。
また、洗剤に限らず、食品でもそうなのですが、実家の特徴として「一人暮らしでは使いきれない量が残っている」ということがあります。もらった時は早めにお裾分けしたり、少し割高でも量の少ないものを買うことも大切だと思いました。
多かったもの4:植木鉢
多くて大変なものの4つ目は植木鉢です。これは一戸建てで庭がある家に限らず、マンションでも同じでした。一戸建ての場合は、物置などがあるために溜められること。マンションの場合は、枯れた植木の土を捨てる場所がなくて、放置しがちになることが貯まってしまう理由かもしれません。
植木鉢も食器同様、地域によっては簡単に捨てられないですし、重いものも多いので元気なうちに片づけておいたほうがよいと思いました。
そこで、わが家も「花を植える時に…」と物置に置きっぱなしにしていた植木鉢を一掃しました。買うと意外に高い大きなサイズのものもあったので、以前、子どものおもちゃでやっていた「ご自由にお持ち帰りください」を家の前でやってみたところ…2日で全部なくなっていました!
以前は無印で売っていた紙製の植木鉢を使っていましたが、今は販売されていないようです。
今後、何かを育てたいときは捨てる時のことを考えて、以前使っていた紙製の植木鉢をまた使ってみようと思います。
多かったもの5:記念切手、記念硬貨
「うちの実家もあった!」と盛り上がったのが、記念切手や記念硬貨。最初の東京オリンピックや皇室のご成婚などを経験している世代だからでしょうか。うちの場合、母が若い頃から記念切手を買う習慣があったようで、箱いっぱいの切手がありました。
置いておけば価値が出るかも…と思ってくれていたのかもしれませんが、昭和40年代、50年代のものは、オークションなどを見ても額面以下。やはり戦前まで遡らないと、プラスαにはならないようです。
しかもメルカリでは未使用の切手は出品できなくなってしまった上、最近は仕事関係の請求書などもメールで送れるようになり、切手の出番が本当に少ない。
そこで、古い切手も思い切って使うことにしました。今回の実家の片づけで出たものを一部、寄贈したのですが、その時の送料をほぼ切手でまかないました。(ゆうパックは切手でも支払えるのです)。また、以前、友人にこの話をしたところ、切手を集めている方がいるということで、欲しい切手をもらってもらったこともあります(お礼においしいお菓子をたくさんいただきました!)。
記念硬貨もあり、銀行で額面と同じ額に換金しましたが、この作業もなかなか面倒。また、硬貨ではなくオリンピックの記念メダルなどもあったのですが、これはメルカリなどでも売れ残っていて、どうすればいいか分からずに持ち続けています。
記念切手や硬貨は最終的に思い切って捨てる、ということができないので、実は他のものよりも困ります。この経験から、2021年の東京オリンピックなどでも一切、記念モノは買いませんでした。
親の片づけを手伝うと自分の行動も変わる
最近は同年代の友人と会うと、子どもの話より、親の介護か実家の片づけに話題になります。そして、よく共感されるのが「親のものの片づけを経験すると、どんどん自分のものが買えなくなる」ということ。買うより捨てるほうが大変なことや、どんなに高価なものも使っていなければカビが生えてしまったり、ゴミ同然になってしまったりするからだと思います。
実家の片づけを経験すると、その後の消費行動が変わるので、生前整理などを手伝ってみると自分の家が片づいていくかもしれません。