この家が気持ちよい季節の悩み
わが家の2階リビングからは公園が見えるので、新緑の季節になると窓から見える緑が増えます。
とても気持ちよくて、「この家でよかった!」と思う季節です。
でも、この季節になると、悩まされるものがあります。それは…雑草!家の周囲にすぐ草が生えてしまうし、植えてある木の枝もすぐに伸びてしまうんです。
狭小住宅に限らず、少しでも家の中が広くなるようにと、敷地いっぱいに建物を建てるケースは多いと思います。
狭小住宅のわが家も当然、同じ考えでした。
庭と呼べるものはなく、家のまわりは通路程度のスペースしかありませんが、実はこのスペースの取り方が、住んでみて後悔している部分なのです。
すぐできないからストレスに
家の正面以外の外まわり3カ所のうち、一番広い部分でも幅60〜80cm程度。人1人が通れる広さです。
わが家は日当たりがいいせいもあるかもしれませんが、こんな狭いスペースでもあっという間に雑草で埋もれてしまいます。
また、いくつか木も植えているのですが、初夏になるとあっという間に枝、葉が伸びて広がります。
ズボラなので、単に木が伸び放題なら気にしないのですが、まわりの家との距離も近いので、すぐにお隣の敷地に枝が進入してしまったり、葉っぱが落ちてしまったりするのです。
すぐに何か言われるようなご近所さんではないのですが、以前、あまりに木が伸び過ぎてさすがに「切ってもらえますか?」と言われてしまったことがあり、「ああ、早く切らなきゃ」と思いながら、なかなた手を付けられずにいるのが意外にストレスだったりします。
隣地境界線から建物まで60cm
そもそもなぜ60cmになっているのか?
建築士の夫によると、建築基準法上は屋根や雨どい、外壁が「隣地境界線」から出ていなければOKなので、もっと境界ギリギリまで建てることは可能なのだそうです。
でも、さすがにそこまでめいっぱい建てるのは避けたいため、民法では隣地境界線から建物までの距離が50cm以上と定められているので、その数字を元に60cmにしているということでした。
つまり、近隣とトラブルにならない距離を十分に考慮した広さだということです。
庭いじりをしなくても考えたい
でも、例えばお風呂や玄関となっている土間部分をもう少し狭くしてでも、外の通路程度のスペースの幅を何センチか伸ばしてもよかったのではないかと話しています。
もちろん、狭小住宅の設計は数センチでできること、できないことが出てくるので簡単ではありませんが、実際に生活する上では建物が今より狭いことによる使いにくさよりも、外の通路が狭いことことによる使いにくさの方が勝ると思います。
なぜそう思うかというと、お風呂や玄関が今より狭くても使い勝手はそれほど変わらないと思うけれど、通路が狭いことで実際、外に出る機会が少なくなっているからです。
これは広さだけでなく、建物から外に出やすい動線なども大切だと思います。外に出るための掃き出しの窓があるのですが、ここを使うことはあまりないのです。
でも、これは実際に何年か住んでみて気づいたことです。
庭いじりをするつもりがないから…と思っていても、土がある限り、どんなに狭くても容赦なく雑草が生えてきます。
狭小住宅の場合、狭い土地でありながら、いかに建物を広くするかに目が行きがちですが、外での動きやすさ、外に出るための動線にも目を向けることをオススメします。