スポンサーリンク

[家を建てるときに知ってほしいこと]設計事務所が工務店を指定したい理由

建主さんに誤解されていること

設計事務所に依頼をして家をつくる時、工事を工務店に依頼します。

多くの設計事務所には「いつもお願いしている工務店」があるのですが、その理由を誤解している建主さんがまれにいるようです。

それは「マージンを取れるから」。つまり「○○工務店に新築工事を依頼するから、紹介手数料として工事費の○%設計事務所がもらっている」と思われているようなのです。

私も初めて聞いた時は「なるほど、そういうふうに捉えられてしまうのか…」とショックを受けましたが、夫がやっている設計事務所ではマージンはもらっていません。まわりの工務店でも同じようです(もちろん、そういう形をとっている設計事務所もゼロではないと思います)。

では、設計事務所がなぜ工務店を指定したいかというと、工事がスムーズに進むからです。

こう言うと、今度は「慣れ合いの関係」みたいなネガティブなイメージを持たれてしまうのですが、そういうわけではありません。

大工さんによって捉え方が違う

私も建築は素人なので、夫と結婚してから知ったことがたくさんあるのですが、まず「同じ図面を見ても、大工さんによって捉え方が違う」のだそうです。

ドア、窓、窓枠などに既製品を多く使う場合はいいのですが、建築士が手がける注文住宅の場合、細かい作業がたくさん発生します。

細かい作業と聞いて、昔、私は「昔の家にある欄間の彫り込み」みたいなイメージでしたが、現代の家も素人目には分からない細かいつくりで成り立っています。

そのため、大工さんの経験によっては「こういう作り方はしたことがない」という部分が出てきたり、さらに「図面を見ても、どう作ればいいか分からない」ということもあったりするそうです。

それなら経験年数の多い大工さんがいる工務店ならいいかと言えばそうではなく、どちらかというと、これまでどんな工事を担ってきたかが重要になります。

簡単な例で言うと、既製品メインの家ばかり作ってきた大工さんが、扱いの難しい無垢材メインの家をつくるのは難しい、とかそういう違いです。

他の工務店と比べたい場合は?

そういう理由から、図面を渡せば同じ完成形をイメージできたり、もし図面で伝わらなくても話せば通じたりする大工さんがいる工務店に頼みたいから、設計事務所は工務店を指定したいのです。

よく「知り合いの工務店がある」とか「設計事務所指定の工務店だと、高そうで不安」などの理由で、相見積りを取りたいと言われることがあります。

基本的には希望があれば相見積りを取っていますが、金額に大きな差がないのであれば、設計事務所希望の工務店にすることをお勧めしたいです。

怖いのは違う工務店が仕事を取るためにものすごく金額を下げてきた時です。いざ工事をしてみたらイメージ通りのものができなかったり、やり直しが多かったりする(=工期が必要以上にかかる)という可能性はあります。

「自分は細かい作りなんて気にしない」という場合は、建築士さんと一緒に家を見学して「細かい作りの差というのは、こういう部分のこと」を実際に解説してもらうといいと思います(私もなかなかイメージできなかったので)。

それを見ても「いや、安い方がいい」と思うのであれば、そもそも設計事務所と家を建てる必要があるのか考えてみてもいいのかもしれません。

[関連記事]