スキップロアの家にした理由
「スキップフロア」で検索すると、「後悔」「寒い」「老後」というようなキーワードが出てきます。
スキップフロアの家に住んで今年で20年になるので、私が感じるメリット、デメリットを書いてみたいと思います。
まず、スキップフロアの家、と一言で言っても、色々なパターンがあります。どのフロアからどうやって中間階をつくっているか、天井高、日当たり、広さ、階段の緩やかさなどの条件によって違うので、スキップフロアのデメリットとしてよく挙げられる「寒さ」「疲れる」がすべてに当てはまるわけではないと思うのです。
わが家のスキップフロアを説明すると、
玄関土間から廊下を歩き、5段の階段を上がると、洋室(現在は子ども部屋)があります。
さらに洋室のドアの前から、8段の階段を上がると、リビングに。
そして、リビングの中に6段の階段があり、和室とつながっています。
そもそもわが家がスキップフロアにしたのは、部屋の中に数段の階段がある、小上がりのような雰囲気が好きだったから。
そして、敷地が前面道路から1mぐらい上がっている土地だったことも大きいです。
この敷地の地盤面に駐車場を作り、その上を建物の1階にしようとすると、玄関の位置がすごく高くなってしまいます。
でもスキップフロアにすることで、地盤面に駐車場をとり、少し上がったところに玄関、玄関から少し上がったところに洋室、というような造りが可能になりました。
住んで感じる最大のメリットは「階段」「開放感」
では、メリットは何かというと、ずばり「楽しいこと」です。
特にリビングですが、リビングと和室が同じ高さにあるよりも、階段でつながっていることで見た目に変化があります。
さらに階段が単に和室に上がるためのものではなく、家具的な存在になるのも楽しい理由です。
階段の脇を本棚にしていることもあり、子どもたちはそこに座って本を読んだりしていますし、自分もお客さんもなんとなくそこに座ることが多いのです。
小さかった頃の子どもたちは、階段を台にしておもちゃを並べて遊んだりもしていました。
自分の家に慣れてしまったせいか、1フロアに段差のない家に遊びに行くと、なんだか物足りなさを感じてしまうぐらいです。
そして、リビングから和室を見上げる形になるので開放感があります。
わが家が敷地の小ささの割に窮屈に感じないのは、スキップフロアだということも理由だと思います。
また、家のどこにいても家族の気配を感じられるのもいい点です。
但し、狭小住宅の場合、スキップフロアにすることで広さを感じられる一方、階段の分、面積が埋減ってしまうという面もあります。
寒さ、老後はどう考える?
デメリットと考えられている「寒い」「老後」というキーワードについてですが、まず寒さは造りと寒さ対策次第だと思います。
暖かい空気は基本的に上昇することもあり、冬は暖房した部屋の面積(広さ、高さ)が大きければ大きいほど暖まりません。
でも、その分、窓を開けられる季節は、家全体に風が抜けて気持ちいいはずです。
対策としては「冬はドアなどでしっかり閉じられるようにしておくこと」だと思います。
また、「老後」は、階段が多くて大変ということだと思いますが、まず階段を緩やかにすることが大切です。
その上で住んでいて感じるのは、階段の数は多くても、1つ1つの階段の段数は少ないので、1つの段数が多い階段を登り降りするよりは大変に感じません。
家づくりでメリットとデメリットは背中合わせ
これはスキップフロアに限らないのですが、結局、家を建てる時にメリットとなる要素を取り入れたことでデメリットも生まれるし、デメリットとなる要素をなくそうとすればメリットの少ないつまらない家になってしまう可能性が大きいと思うのです。
例えば今回の内容だったら、「階段が部屋の中にあることで得られる楽しさ」を大切にしたことで、階段が部屋にない家に比べて寒くなったり、老後が心配になったりするわけです。
上に書いたような対策をしっかりした上で、メリットを優先するか、デメリットができる限り少ない家にするかを考えていくしかないのではないでしょうか。
ネットの記事や口コミにあるデメリットばかりを不安がらずに、何を優先したいかを考えた方が注文住宅を建てる意味があるし、いい家になると思うのです。