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[2階リビング・3階建て]老後はどうするの?に対する私の考え

「年をとったらどうするの?」にモヤモヤ

この家を建てたとき、「子どもが生まれたらどうするの?」の他に、よく言われたのが「年をとったらどうするの?」です。

わが家はスキップフロアで、2階にキッチン、リビングがあるので、「階段が多いから大変でしょう?」という意味なのだと思います。

また、ブロガーのちきりんさんのtwitterでも、以前、こんなツイートがありましたが、これも同じような意味ですね。

この話題、そういう家に住んでいる当事者である私がいつも感じるのは「ちょっと論点がズレているよなあ」ということです。

階段にも色々ある

まず、「階段」とひと括りにしているのがおかしいと思うのです。

蹴上げ(1段の高さ)の高さ、踏面(足を乗せる部分)の広さ、段数などによって、階段の大変さは全然違います(ちきりんさんtwitterのコメントにも書いている方がいますね)。

わが家も階段の上りやすさにはこだわって設計しているので、たまに見かけるものすごく急な階段と一緒にして欲しくないなあと思ってしまいます(笑)。

[参考記事]

わが家が2階リビングにした理由

そして一番感じるのが「家を選ぶ時の基準は、老後の住みやすさだけなの?」ということです。

よく1階で生活が完結するようにしておけばいいという考えも聞きますが、子どもが独立後に2階を全く使わなくなってしまうのももったいないと思います。

いつもこの「老後どうする?」議論を見ていて感じるのですが、2階リビングや3階建てにしている人が、老後のことを全く考えなかったわけではないと思うのです。

わが家もそうです。2階リビングにしたのは、日当たりや窓からの眺めがとてもいいから。家族が集まる、メインの部屋を家の中で一番気持ちいい場所に作りたいという希望が、老後の心配を大きく上回りました。

しかも家を建てた時は30歳前半。“老後に起こるかもしれないこと”のために、今、得られる快適さをなくそうとは思いませんでした。

みんなそれぞれ、その場所に家を建てたい、敷地が狭いけれど部屋数も確保したいなどの理由があって3階建てにしたり、家の中で重視したいことがあって2階リビングにしたりするわけで、結局は「家を建てる上での優先順位は何か?」による違いだと思うのです。

特に狭小住宅は、この優先順位をはっきりさせていかなくてはいけません。

敷地が狭いのに1階のLDKからの眺めも日当たりもよく、部屋数もあり、老後も安心な家なんてないし、そもそも敷地も要望も違うのだから「こうするのが正解」なんて一概には言えないはずです。

もし、優先順位が決められなかったり、一般的にデメリットと言われている部分があることに不安を感じる人は、少なくとも狭小住宅はおすすめしません。

[参考記事]

“老後”はどんな生活が待っている?

では、老後の生活に不安を抱えたまま3階建て、2階リビングの家を建てるしかないの?と思われるかもしれませんが、もちろん対策しておくことはできます。

  1. 階段を緩くする。
  2. トイレに近い場所に寝室にできる部屋を作っておく(というか部屋の役割を固定しないでおく)。
  3. 工事をすれば家庭用のエレベーターを設置できる設計にしておく(当然、使えなくなるスペースは出る)。

でも、一口に「老後」と言っても、どんなふうに体の不具合が出るかも人それぞれです。

特に足の悪い義父、足が弱って歩くのがきつくなってきた義母、足には全く問題のない実母、と3パターンの老後も見ているだけにそう感じます(ちなみに実母が最高齢で、一番段差のある家に住んでいます)。

また、わが家は夫が大病をして、歩くのさえ大変な時期がありました。

実際に先ほど書いた1と2の対策はしていて、3もある程度考えてありましたが、その時は車いすが必要なほどだったので、家に住み続けるのは難しい、マンションに引っ越した方が早いという結論になったのです。

しかし、その後、奇跡的な回復で、結局、玄関とトイレに手すりを設置するだけで、家の中で生活できるようになりました。

この経験からも、起こるかもしれないことを想定して、今、我慢する家づくりをするよりも、いざとなったら潔く家を手放せるぐらいの期間・金額のローンで、その時、一番気持ちよく過ごせる家を建てておく方がいいと思っています。

もちろん、家に愛着があるので簡単に手放したくはありません。

だから、将来、階段の上り下りが大変にならないように足腰を鍛えておきたいです。

そして、2階リビングだからこそ、通勤がない在宅ワーカーでも自然と体を動かす機会が増えているのも確かです。私はマンションで育ったので、その運動量の違いは強く感じていますし、老後に備えるという視点ではいい環境だと思っています。

リビングからみた階段
リビングから階段をみたところ。緩やかで、妊娠中も上り下りが苦になりませんでした