家だけでなく、暮らし全体をコンパクトに
家を建てる前は公団(現在のUR賃貸)の団地を借りて住んでいました。その時、印象的だったのは、駐車場にいわゆる高級車が結構停まっていたことです。
もちろん経済的な事情で公団を選んでいる家もたくさんいると思いますが、あえて公団を選ぶことで他の面はいうゆとりを…という考え方の人も多そうだと感じていました。
わが家も小さな家を選んだことでローンの負担が少ないわけですが、じゃあ他の面は贅沢にしているのかというと、そんなことはありません。
むしろ“家だけではなく、暮らし自体も小さく“をモットーにしています。
きっかけはお金のストレス
これはわが家が個人事業主の夫婦であることが大きいです。
実は今の家を建てる前、団地に住んでいた頃は、子どもがいなかったこともあり、結構、贅沢をしていました。海外旅行にこそ行かなかったですが、買い物や外食がとても多かったです。
でも、約20年前、家を建てた時期に夫が建築士として開業して、初めて「お金の心配をする生活」というものを経験しました(学生時代はバブル期だったので、アルバイトのおかげで余裕がありました)。
夫の場合、満を持しての独立というよりは、転職の予定から挑戦のような形での独立だったため、前の勤め先からの図面書きの仕事などはゼロだったのです。
設計の仕事など簡単に入ってくるものではなく、スーパーや宅配便のバイトをする夫の収入と、フリーランスの私の収入で暮らす生活が1年ぐらい続きました。
この時期にお金がないことがストレスになった経験から “お金がなくても平気でいられる自分でいたい”と思うようになったのです。
シンプルライフに共感したのもこの頃で、贅沢しなくても、モノが少なくても幸せを感じられる人でありたいという気持ちから、モノを減らし始めました。
[参考記事]
仕事がない時の収入をベースに
その後、夫は設計の依頼をいただけるようになりましたが、仕事が順調な時も全くない時もあります。
よく「仕事がない時があっても、忙しい時はたくさん稼げるからいい」なんて言われますが、1人でやっているので、できる仕事量には限度があるのです。
それだけに、むしろ仕事がない時の収入をベースにした暮らしがしたいと思ってやってきました。
わが家がお金をかけないもの
今は食べ盛りの子どもが2人いるので食費はあまり減らせませんが、他は4人家族にしてはかかっていないと思います。
わが家がお金をかけていないと思う部分をジャンル別に挙げてみると…
[生活]
- レジャー費
- 通信費
- ティッシュ、掃除用品、洗剤などの消耗品費
- 車
[家の中]
- 家電(エアコン2台、テレビ1台)
- カーテン
[子ども]
- 教育費
- 衣服費
[仕事関係]
- オフィス費用
- コピー機、シュレッダーなどのオフィス機器
といったところでしょうか。
あれもこれも削っているわけではなく、仕事の効率アップやスキルアップにつながること、大切な人とのつき合い、子どもが本当にやりたいことのためにはお金をかけるのがモットーです。
[参考記事]
身の丈以下で暮らせる強さ
もちろん、夫や私が会社員になれば、収入は増えるかもしれません。
でも、私たちにとっては、仕事の内容や時間の自由度の方が大切。それだけにこれからも生活を大きくするつもりはないし、「自分でそういう人生を選んだのだから」と腹を括っています。
その上、数年前には夫が大病して、長期間仕事ができなくなった時期もありました。この時、子どもが小さかったこともあって、私自身も仕事のやり方を変えざるをえなくなり、収入も激減しました。
「人生何が起こるか分からない」をリアルに経験したからこそ、身の丈に合ったというよりも、常に“身の丈以下”で暮らせることが、強さにもつながっていくと実感してきました。
そして、今回のコロナの影響で、改めてコンパクト家計でよかったと感じています。
どんなふうにコンパクトなのかは、今後、少しずつ紹介していきたいと思います。