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[築19年に思うこと③]後悔していること、いらなかったもの

理由は生活、考え方が変わったこと

10月で築20年目に入り、19年住んでみて感じることを2回に分けて書きました。

やってよかったこと、選んでよかったものなどについてでしたが、今回は「こうすればよかったなあ」と思うことについて正直に書きたいと思います。

「建築士の旦那さんが設計したのに完璧じゃないの?」と思うかもしれませんが(笑)、家を建てた時とは生活が変わっただけでなく、実際、考え方、好みも変わっているので、新築時に分からないのは仕方ないというか当然のことだと思います。

わが家の場合、新築時は私が千葉から都内まで通勤していて、仕事中心の生活。そして、築40年以上の古い団地に住んでいました。

なので、「忙しい生活をラクにしたい」「新しくキレイにしたい」という気持ちが今よりも強く、その思いが設備選びなどにも反映されています。

また、敷地が20坪と狭く、少しでも家の中を広くしたいと思っていました。

後悔している部分やいらなかったと思うものは、そういう思いの強さが影響していた結果だと思います。

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一番後悔していることは「敷地の使い方」

以前も書きましたが、一番後悔しているのは、家のまわりの通路が狭すぎた、ということです。

家の外回りは正面以外に3カ所ありますが、幅60〜80cmぐらいしかありません。

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でも、玄関の土間を少し狭くしてでも、通路を広げた方が、結果的に使い勝手が良かったと思っています。

これは自分たちの考え方が変わったことが大きいです。

建てた時は家の中での過ごし方にばかり目がいっていたのですが、長年住んでいく中で、野菜を育てたいとか、そういう気持ちが出てきました。時間的な余裕ができたことも関係しています。

これは狭小住宅ならではの後悔です。

つい家の中を広げることに目がいきがちですが、建物のまわりが狭すぎると、何かを植えるのにも広さが中途半端になってしまいます。

コンクリートで埋めてしまわない限り雑草は生えてくるので、敷地が狭いからこそ建物まわりの広さや使い勝手も考えることをオススメします。

照明はもっと少なくてもよかった⁉︎ 

2つ目は後悔というほどではないのですが、照明はもっと少なくてもよかったということです。

例えば廊下につけたダウンライトはなくても問題なかったので、今は電球を入れていません。

あと、キッチンとリビングのダウンライトも4灯のうち、2灯はいらなかったかなと思います。

廊下のダウンライト
玄関土間から階段へと向かう廊下のダウンライト

これは住んでみたら窓からの明かりが意外と明るかったということも理由の1つですが、周囲に建物が建ったり、逆に大きな木がなくなったりしたら変わるので、設計時に判断するのは難しいです。

また、明るい、暗いの感覚は個人差もあり、実際、夫婦でも明るい、暗いと感じる状態は同じではありません。

もしかしたら、ダウンライトのように工事が必要なモノではなく、電源に差すタイプや電池タイプなど、後から照明を追加できる照明で補う、という考え方もあったのではないかとは思います。

やっぱり家を新築する時って、建てる家よりも狭かったり、古かったり、使いにくかったりする家に住んでいることがほとんどなので、だいたいの不満は解消できるわけです。

そうなると、選択肢がたくさんある中で、どこまでレベルアップすればいいかを判断するのは意外に難しくて、つい過剰な設備になってしまったり、広すぎたりしてしまうということはあります。

予算に限りがある場合は、設備についてはあまりランクを上げすぎないとか、後から足せるものはやめておくことで、こういう無駄を防げるように思います。

浴室の天井は低くてもいい⁉︎

3つ目は浴室の天井高について。これも後悔っていうほどではなく、「こっちでもよかったんじゃないかなあ」というレベルです。

浴室はシステムバスではなく、在来工法で作りました。システムバスというのは、工場であらかじめ作った壁や床、浴槽などのパーツを現場で組み立てるバスルームのことです(ユニットバスともいう)。

わが家の浴室は、床から天井までの高さが2200mm。一般的なシステムバスが2000 mm、在来工事の浴室でも2100 mmなので、大した差ではないのですが、むしろもっと低くてもよかったのではないかと思っています。

そう思う理由は…

  • 天井に手が届かないので、低ければ掃除がちょっとでもラクになったかもしれない。
  • 天井のカビ掃除が一番大変なので、毎日、さっと拭ける高さの方がラクだった。
  • 浴槽には腰かけて入るので、もう少し天井が低くても開放感にはそんなに違いがなさそう。
  • 少しでも狭い方が、寒さも違ったかもしれない(ここはあくまでも想像レベル)。

これも設計時は「掃除がしやすいお風呂」よりも「開放感のあるお風呂」を重視していたので、判断するのは難しかったと思います。

また、住む人の身長やシャワーを立って使用するかでも違ってきますし、わが家は浴室に大きめの窓があるので、そこで開放感を得られているという違いも大きいので、「低くするという考え方もあったかなあ」というレベルですね。

他の家の後悔、失敗は参考程度に

こういう「家を建てて後悔していること」というのはネットの記事などにもたくさんありますが、あくまでも参考程度にすることをお勧めします。

当たり前だけど、それを書いている人とは、敷地も建てる条件も住む人も同じではないからです。

最近、家の相談にみえるお客さまを見ていて感じるのが、「ネットの記事や家を建てた友達の口コミをそのまま採用しようとする人が多い」ということです。

どうして、それがよくないと書いてあったのか、どうしてこれがオススメと言ってるのか、自分の生活パターンやタイプ(几帳面か面倒くさがりかなど)が合う人なのかまで考えていないことが多いのです。

設計事務所でつくる注文住宅というのは、小さなパーツ1つから選び、ミリ単位で広さや高さを選択できます。

もしかしたら、もっと自分の生活、建てる敷地に合うものがあるかもしれないのに、自分が得た情報だけで判断してしまうのはもったいないと思うのです。

もし、参考にするのであれば、例えばこの浴室の天井高の記事だったら、「天井は低い方がいい」ではなく、「天井高を掃除のしやすさで選ぶという考え方もあるのか。自分は開放感とどちらが大事だろう?」というような考え方の参考にしてもらえればうれしいです。