スポンサーリンク

[築19年に思うこと②]家を建てた時に決断して正解だった3つのこと

注文住宅は考えることがいっぱい!

前回、家を建てた時に取り入れてよかった設備や、やってよかったことについて書きました。

今回はあの時、どうするか悩んだけれど、選択や決断をしてよかったと思うことについて書いてみたいと思います。

予算や敷地に限りがある中で家を建てるのだから、家の計画中は何かを優先させたり、その一方であきらめたり、の連続です。

それこそ設計事務所に依頼する注文住宅は、ドアの取手1つから自分の好みのものを選ぶことができます。それが楽しい反面、決めることは膨大で、設計中は建主も考えることがいっぱいなのです。

わが家の場合、家を建てる時に子どもがいなかったため、「この学区に住みたい」「部屋数は最低○部屋必要」という制約がない状態で土地探しからスタートしました。それだけにエリアも広さも間取りも自由すぎて、本当に決断しなければいけないことがたくさんありました。

そんな家づくりを振り返って、19年経った今、あの時の選択は正しかった!と思うことがあります。

2×4工法ではなく在来工法で建てたこと

私も家を建てるまで知らなかったのですが、木造建築とひとことで言っても同じではなく、色々な工法があります。

代表的なのが在来工法(木造軸組工法)、2×4工法(木造枠組壁工法)です。

簡単に違いを説明すると…

■在来工法(木造軸組工法)

・日本の昔ながらの工法。

・基礎の上に柱と梁でフレーム状の骨組みをつくり、そこに体力壁(筋交い)を取り付けて、「骨組み」をベースに建物をつくる。

■2×4工法(木造枠組壁工法)

  • アメリカ生まれ。海外では主流の工法。
  • 基礎の上に床をつくり、壁のパネルを立て、さらに床を乗せて、「面」をベースに建物をつくる。

わが家は最初、この2×4工法で家を計画していました。理由は予算がなかったから。

2×4工法は工場でパネルが作られて建築現場に運ばれてくるため、工期も短くて済み、建築費も在来工法に比べて安いのです。

また、柱がないので、1部屋を広く取ることができます。そのため、最初のプランでは1階に広い部屋がありました。

でも、途中で現在のスキップフロアのプランが出て、より設計の自由度が高い在来工法で建てました。

なぜ今、在来工法で建ててよかったと感じているかというと、強度に関わる柱、梁さえ動かさなければリフォームが可能だからです。

2×4工法の場合、壁が体力壁となっていることから、強度を考えると動かせない壁が多く、リフォームができないわけではありませんが、自由度は下がります。

前の記事にも書きましたが、わが家が築9年で大胆なリノベーションをすることができたのは、在来工法だったことが大きいです。

特にわが家のように狭小住宅で、住んでいる間に家族が2人から4人に増えると、色々変えたい部分が出てきます(変えるのが好きなのも大きいですが…)。

計画中は金額を下げることの優先順位が高くなってしまいがちですが、費用以外のメリット、デメリットにも目を向けることが大切だと感じます。

浴槽のランクを下げたこと

家を設計中、初めて見積りが出て、何百万か下げなければいけなくなりました。色々な設備のランクを落とした記憶がありますが、一番覚えているのがお風呂の浴槽です。

最初は人工大理石でも光沢のある浴槽を選んでいたのですが、同じ人工大理石でも価格の安いツヤのないタイプに変更しました。

その時は「安っぽく見えないかなあ」なんて思っていたのですが、実際は住んでから一度も不満を感じたことはありません。

浴槽カタログ1
最初に選んでいた浴槽。色はホワイトでした。
浴槽カタログ2
現在の浴槽。確かに高級感はありませんが、安っぽいとも感じていないです。

ランクを落とすと考えると、その時はショックだけど、実際に気にならないことも多いです。

そして、19年で強く感じるのは、「設備というのは、どんどん安くていいデザイン、性能のものが出てくる」ということ。

そもそも設備は一生ものではありません。使っていると汚れたり、故障したりもします。

実際、わが家も給湯器、トイレを交換しました(トイレは修理でもよかったのですが、手洗い機を付けたかったこともあり、交換を選びました)。

そう考えると、お風呂やキッチンとなると工事が大変なので簡単には言えませんが、トイレや洗面所、ガス給湯器などは、最初にあまりいいランクのものを選ばなくていいのではないかと思います。

[関連記事]

浴槽アイキャッチ
わが家のお風呂。新築時の写真です

慎重すぎるローン額にしたこと

何度か書いていますが、わが家は月々のローン返済額を当時借りていた公団住宅(現在のUR賃貸)の家賃+駐車場の額と同じに設定しました。

土地探しをしている時は不動産屋さんが「あと100万足せば、ここも買えますよ」と気軽に言ってきたり、家を建てている時は「建築費が10万ぐらいオーバーしてもどうにかなる」と思ってしまったり、金銭感覚が麻痺しがちです。

家を計画中、「スーパーでは10円、100円単位で少しでも安いものを買おうとするのに怖いなあ」と思ったのを覚えています。

実際、家を建てた後、収入が安定した時期は「もっと予算をアップさせて、広い家にしてもよかったんじゃないか」と思ったりもしました。

でも、夫が病気で休業したり、子どもたちが成長して学費や食費がかかるようになったりした今、あの時、最小限のローン額にしておいてよかったと思います。

最近は高齢の母のために実家に行くことも増えて、自分の思い通りには仕事ができないことも増えています。

コロナや災害など、ここ何年か予想外の出来事も多いし、本当に先のことは分からないです。

そういう状況で住宅ローンの負担が少ないのは、精神に本当にラクです。若くてバリバリ仕事をしていた時、親も元気だった時は分からなかったことだなあとしみじみ感じます。

ローンを恐れて自分の住みたい家を諦めるぐらいなら、予算額を下げて家を建てる方法を探すことの方が前向きだと思っています。