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【新築価格の高騰】狭小住宅が時代に合っていると思う理由

家の価格は1.5倍に上がっている⁉︎

2020年ごろから新築住宅の価格が値上がりしています。

夫は住宅を中心にした設計事務所を主宰していますが、やはり影響が出ています。新築住宅の工事の見積もりをとってもお客様の予算と差がありすぎたり、予算を伝えると工務店さんに断られてしまったりということが起きています。あくまでもざっくりしたイメージですが「以前、3000万で建築できた家が、4500万になってしまっている」ぐらいの変化だそうです(地域差もあります)。

原因は資材の値上がり、ガソリンの値上がりなどによる工事費の値上がり、工事の人不足…などさまざまだといわれています。それに加えて2025年からはすべての新築住宅に「省エネ基準適合」が義務付けられることから、さらに上がる可能性があります。

なぜ、これが家の価格に影響するのかというと、求められる断熱の効率などが高くなり、例えば今までよりも断熱材(壁や天井に入れる)やサッシを高性能なものを選ばなければいけなくなったりするからです。細かいことで言うと「省エネ基準適合」の基準を満たしているかの検査を受ける必要があり、そのための費用もプラスになります。

このように値上がりの要因が色々あることからも、新築の価格は簡単には下がらないだろうというのが実感です。夫とは「新築住宅の仕事はもうあんまり来ないかも」「うちの子どもたちは将来、首都圏に家を建てることはできないかもしれないね」なんて話したりしています。

狭小住宅は割高といわれるけれど…

そんな今だからこそ、狭小住宅を見直してほしい、と狭小住宅に住んでもうすぐ23年になる私は思っています。

もちろん、家の面積が小さくなった分、そのまま費用も下がるわけではありません(30坪の家が3000万だとしたら、15坪にすれば1500万になるわけではない)。

これは

  • 工事の中で面積が変わっても手間は変わらないものもある。
  • キッチンやお風呂などが既製品の場合、平均的な大きさのものが一番種類、数が多い。そのため、あまり流通しないサイズのものは割高になりがち。

などが理由です。これが「狭小住宅は割高」と言われる理由の1つだと思います。

でも、面積が大きく違えば、やはり建築費用は減ります。だから、家族4人で住むなら4LDK以上、子ども部屋は6畳以上というようなイメージを持っていて、最近の価格では家が建てられないからといってあきらめているのだとしたら、狭小住宅なら一戸建ての夢が叶う可能性は十分にあります(もちろん、このブログで時々書いているように、子ども部屋やリビングの割り切りは必要です)。

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50代になったからこそ狭小住宅をオススメしたい3つの理由

では、改めて「狭小住宅をオススメしたい理由」を書いてみたいと思います。特に子どもが成長し、自分自身が50代になって思うことです。

1:子どもの個室が本当に必要な期間は短いから

子ども部屋の記事を何度か書いてきましたが、兄弟が5歳差のわが家の場合、本当の意味で個室が2部屋必要になったのは、ここ1〜2年のこと。さらに2年後には長男が社会人になり、家を出る可能性も出てきたので、合計4〜5年ということになります。

実際、まわりでも「全く想像していなかった地方の大学に入り、思っていたよりも早く子どもが家を出た」「子どもが家から通える会社に就職したけれど、一人暮らしを始めた」というケースが少なくありません。

これは、もし個室を2つ用意していたら余ってしまうということでもあります。子どもが成長して感じるのは、家に住んでいる期間が一番長いのは家族4人よりも、夫婦2人だということ。子どもに個室(またはパーソナルスペース)が必要な時期はどうにか乗り切って、基本は夫婦2人にちょうどいい家を建てるのがいいと個人的には思っています。

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2:長い目で見て家の管理がラクだから

物置にするような空き部屋はないので、家をすっきり快適にするために片づけや持ち物の見直しはマメにしています(元々、片づけ好きのせいもありますが…)。

50代になって思うのは、狭小住宅は終活という意味でも理にかなっているのではないかということです。私自身もそうですが、親の家の片づけなどを経験して自分の持ち物の量を見直す人がまわりにも増えてきました。また、大きな家だと、歳をとってからの掃除や管理、いざ手放す時も大変です。

自分自身が老後のことを考えるようになり、終活、実家じまい、ミニマリスト…など、最近話題のテーマに狭小住宅での暮らしは合っているのではないかと実感しています。

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3:子どもの成長はあっという間だから

子ども部屋の悩みはあれど、狭小住宅で各部屋が緩やかにつながっている家だからこそ、いつも家族の気配を感じて生活してきました。

長男が大学生になり、最近はいつも部屋にこもっているか終日いないのが日常です。来年、高校生になる次男もそうなるでしょう。なんだかんだ狭い中でわちゃわちゃと家族4人で過ごせたのは、貴重な時間だったなと思います。そして、この期間は思っていた以上に短いです。

今は中学生からスマホを持っている子が多く、子どものやりたいことがスマホ1台で完結してしまいます。固定電話に友達から電話がかかってくることもないし、テレビをリビングに見にくることもない(うちはある時期からテレビはないですが…)。だからもし、早くから個室を与えてしまっていたら、こうはならなかったのではないかなと。兄弟にとってもよかったと思います。

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あとはやはり総費用が低めなので、子どもの大学費用とローンの負担ががっつり重ならなかったのも大きいです。ローンの負担はやはり30代に家を建てた時には分かっていなかったと思います。

もちろん、単に面積が小さくした狭小住宅だと住みにくいだけになります。小さいからこそ窓の位置、階段の位置、動線、日当たりなどなど、考え抜く必要があるということも知ってほしいと思います。

天窓の日除け
狭小住宅に一番必要だと思うのが天窓。
夏はこんなふうに日よけをつけています